ゾノトーンのケーブルはDMHCと呼ぶ独自の多芯螺旋構造を特徴とする。その頂点に立つのが、Shupremeシリーズ。複雑精緻な構造と多彩な線材の組み合わせ、投入された物量の豊富さなど、同社のフラッグシップである。一方で、GransterやRoyalSpiritの登場など新しい動きもある。実際に3シリーズを聴き比べながら、その魅力を改めて考えてみる。まずShupremeだが、概要は先に触れたとおり。この音には確かに強烈な存在感がある。ピアノはステージ全体を見渡すというよりピアノ自体に焦点が絞られているし、バロックもスピーカーの前方でアンサンブルを形成する。オーケストラは、弦楽器や木管など弱音でも一音一音に備わったエネルギーの大きさが表現を色濃いものにしている。エネルギーと音数が圧倒的だ。Gransterはどうか。これもDMHC構造であるが、線材にPCUHDとHiFC含めた4種を使用している。この音が、現在のゾノトーンの最も標準的なものと言える。スピードが速く、レスポンスが均一で偏りがない。ピアノを聴くと、タッチの切れの深さと立ち上がりのエネルギーを感じる。低音部でもそれがにじまず、高域まで
価格は¥47,520円