職人の手で一つ一つ丁寧に作られていることを表す美しい編み目の肥料振りかご。
その名の通り、元は畑で肥料を撒く時に用いられてきたものですが、野菜や日用品などを収納するものとして用途を変えて今もなお私たちの生活を支えてくれています。
小さな穀物を漏らすことなく選別するためにしっかりと編み込まれているため、どんなものでも入れられる使い勝手の良いかごです。
竹素材は、肥料振りかごのように古くから道具の素材として使われるだけでなく、装飾品、建築材料、農業、漁業と言った生活用品に使われてきました。
世界中で自然素材を使ったかごが愛用されていますが、その中でも日本はちょっと特別で、日用品としての竹かごだけでなく、美術工芸品としても発達しています。
歴史を掘り起こせば、千利休の時代から、茶道の世界で花かごとして竹かごは使われてきました。
繊細な竹の工芸品と暮らしの竹かご、どちらも日本人の丁寧なものづくりの精神が反映され、現代でもその美しく、温もりある手仕事に感動させられるのです。
人と自然の共存から成り立つ素材.