
「このスペックでこの価格は、まさに価格破壊。駅長もポチりそうです。」
テクニカル・ディープダイブ:FEREMO™の真価
太陽誘電が開発したFEREMO™(Future Energy Recycling system for Mobility)は、電動アシスト自転車における運動エネルギー回生技術の最先端を担う。従来の電動アシスト自転車が、バッテリーからの電力消費に依存していたのに対し、FEREMO™はブレーキ時や下り坂走行時に発生する運動エネルギーを、前輪に設置されたモーターで発電し、バッテリーに充電することで、走行距離の延長や電力消費の抑制を実現する。今回のサイクルモード2026における実証実験で新たに実装されたのは、この回生電力をUSBアダプタを介して外部デバイスへ供給する機能である。
この技術の根幹にあるのは、高効率な発電制御とエネルギー変換技術だ。回生時に発生する電圧や電流を最適化し、バッテリーへの充電効率を最大化する必要がある。また、バッテリーの種類(リチウムイオン、ニッケル水素など)や容量に応じて、充電制御を適切に行う必要がある。今回の実証実験で使用された丸石サイクルの「Re:BIKE STERNA」に搭載されたシステムは、4段階の電動アシストと3段階のスマート発電モードを備えており、ユーザーは走行状況や体力に合わせて発電量を調整できる。
発電モードの段階が上がるにつれてペダルが重くなる仕組みは、回生抵抗を増加させることで発電量を増やすという原理に基づいている。しかし、この抵抗が増加することで、走行性能が低下するというトレードオフが存在する。今回の試乗実験で筆者がモード3で十分に前に進めなかったという事実は、このトレードオフを如実に示している。
前世代・競合モデルとの比較分析
| 特徴 | FEREMO™ (2026) | 従来の電動アシスト自転車 | 競合他社 (例: Bosch eBike Systems) |
|---|---|---|---|
| 回生機能 | 搭載 | 非搭載 | 一部のモデルに搭載 |
| 外部電力供給機能 | 搭載 | 非搭載 | 非搭載 |
| 発電効率 (推定) | 50-70% | N/A | 40-60% (回生機能搭載モデル) |
| バッテリー容量 | |||
| スマートフォン充電時間 | 600m走行で約50% | N/A | N/A |
(注:発電効率は、走行条件やバッテリーの状態によって変動するため、あくまで推定値である。)
競合他社の回生システムと比較した場合、FEREMO™の最大の特徴は、回生電力を外部デバイスへ供給できる点にある。これにより、自転車が単なる移動手段ではなく、非常用電源やポータブルバッテリーとしての役割も担えるようになる。
市場戦略と将来予測
FEREMO™の登場は、電動アシスト自転車市場に新たな潮流をもたらす可能性がある。特に、アウトドア愛好家や災害対策に関心のある層にとって、自転車が電力供給源となり得るという点は大きな魅力となるだろう。
今後の課題としては、発電効率の更なる向上とバッテリー容量の増強が挙げられる。3Whの発電に相当な労力を要した今回の試乗実験の結果は、実用レベルでの電力供給には、これらの課題を克服する必要があることを示唆している。また、発電システムの小型化・軽量化も重要な課題であり、自転車の走行性能への影響を最小限に抑える必要がある。
太陽誘電は、FEREMO™の技術をさらに発展させ、将来的には燃料電池や太陽光発電などの他の再生可能エネルギー源と組み合わせることで、より持続可能なモビリティシステムを構築することを目指している。


