PROJECT: Bic-Saving / Rebuild Logs
Googleにすべてを奪われた男の
「再構築」ログ
10年間の沈黙と、
捨てられなかったドメイン
"サーバー代を払い続けるたびに、かつての自分がそこにいた証を確認しているようだった。"
1. 塾講師としての日常、エンジニアとしての仮死状態
2016年の崩壊後、私はインターネットの表舞台から完全に姿を消しました。 日々の中心は塾経営。黒板の前に立ち、生徒たちに数学や英語を教える毎日。 そこにはSEOも、HTML量産も、報酬画面の更新もありません。 かつての「月200万」という数字は、自分でも本当にあったことなのか疑わしくなるほど、遠い記憶の彼方へと追いやられていきました。
2. メールサーバーとして生き残った「nabejuku.com」
多くのドメインを手放しました。かつての稼ぎ頭だった pbic.info も、更新期限を迎え、ひっそりと消えていきました。 しかし、nabejuku.com だけは手放せませんでした。 塾の業務連絡用メールアドレスとして運用していたこともありますが、それ以上に、このドメインは私という人間のアイデンティティの一部になっていたからです。
Survivor: nabejuku.com
サイトの更新は止まり、かつての記事はすべて消去した。それでも、このドメインの裏側で稼働するPostfixやDovecotの設定をメンテナンスし続けることだけが、私がエンジニアであることを繋ぎ止める唯一の細い糸でした。
3. 沈黙の10年が教えてくれたこと
アフィリエイトから離れたこの10年は、決して無駄な時間ではありませんでした。 塾の生徒たちや保護者と向き合う中で、私は「本当に価値のある情報は、誰かの悩みを解決し、生活を少しでも良くするものである」という、当たり前でいて、最も重要な真理を学びました。
「nabejuku.com」を守り続けたのは、いつかまた、技術を誰かのために使える日が来ると信じていたからかもしれません。 その「いつか」は、想像もしなかった形で訪れます。 それが、Next.jsとの出会いでした。